【我が子じまん】2022・6・9
2022年06月09日
「母の友」(福音館書店)の7月号に、
岸田奈美さんがエッセイを載せています。
わたしの弟は、
ダウン症で生まれてきた。
小学生のころ、
同年代の親たちが立ち話すると、
そのうち我が子じまんがはじまる。
ひとりずつ、
順番にボールをパスするみたく、
褒め言葉の応酬になり、
母の番になったとき、
何人かの笑顔がピチィッとひきつる。
そんな時、
母が繰り出す褒め言葉は決まっている、
「うちの息子は、不良になる心配はないわ」
(「二十六の昼、弁当を投げ捨てて」)
その弟が、
福祉作業所で「頭にきた」ことがあって、
「早抜け」してきたそうだ。
その晩、
後悔でションボリする不良を励ます晩餐会が、
わが家で執り行われたのだった。
26歳にして初めて「不良」なった祝賀会、
さすが岸田家です。
胸のすく思いで読みました。