いろいろあって、
一日一冊が二日一冊になってしまう。

窪 美澄『夜に星を放つ』(文芸春秋) を読み終える。

旬1
    約束してくれる?
    どんなにつらくても途中で生きることをあきらめては駄目よ。
    つらい思いをするのはいつも子どもだけれどね。
    それでも、
    生きていれば、
    きっといいことがある。
    ・・・私はあなたにこのマンションで出会えて良かった。
    いつか忘れてしまうかもしれないけれど、
    なるべくあなたのことは忘れないようにするね。
  そう言って佐喜子さんは皺だらけの小指を僕に差し出した。
  僕はその指に自分の小指をからめた。
  途中から涙が出てきてしまって、
  佐喜子さんの膝の上でひとしきり泣いた。
          (「星の随(まにま)に」より)

 

どの話を読んでも、
生きることはうまくいかないことが多いなあと思う。

みんな一生懸命だのになあと思う。