青山美智子『猫のお告げは樹の下で』(宝島社文庫)を、
昨夜、読み終えました。

給食の時間が苦手な「ぼく」が、
パンを持ったまま廊下を歩いていたら、
保健室の「姫野先生」に出会います。

「姫野先生」は、
「大丈夫?」とは言いませんでした。
「どうしたの?」とも尋ねませんでした。

「保健室に机と椅子があるよ」とだけ言います。
「ぼく」はその言葉に手をひかれて、
保健室に入ることができました。

ベッドで寝ていた「山根先生」が、
カーテンを開けて出てきます。
  どうしてぼくが保健室で給食を食べているのか、
  山根先生も訊いてこなかった。
  保健室は不思議な場所だ。
  牧村先生もお父さんも、
  ぼくに質問ばっかりしてきたのに。
            (「マンナカ」より)

「山根先生」のことを、
同級生は「メンヘラの山根」と言ったりします。
でも、
「ぼく」は「山根先生」と保健室で話していて、
「山根先生」こそが健康でまともだと思います。

そう思う「ぼく」もまた、
健康で健全だと私は思います。