【おまじない】2022・10・23
2022年10月23日
昨日の一日一冊は、
西加奈子『おまじない』(筑摩書房)
最後まで西條奈加の小説と思って、
違和感を感じながら読んでいました。
最後に巻末の作者プロフィールを見て、
そうだったのかと納得。
なんてこった。
おばあちゃんもな、
お前に呪いをかけたんと違うんや。
お前のこと愛して、愛して、
幸せになってほしかったんや。
それは今も変わらん。
死んでも絶対にな。
裕子も息吹もな。
それはそれは愛されたんや。
(中略)
お前がお前であること、
例えばその髪の毛とか肌の色となか。
それはもちろんお前が選ばれへんかったもんやけど、
お前はその容姿やから、
その血やからお前でおるわけやないねん。
お前がお前やと思うお前が、
そのお前だけが、
お前やねん。
こんなふうに、
ちょっと生きづらい人の背中を、
そっと押してくれる魔法のひとことが、
八篇の短編それぞれのどこかにあります。
最後に作者の言葉を紹介します。
あなたを救ってくれる言葉が、
この世界にありますように。