旬1
昨日の夕方、
散髪したら虹がでていました。
かすかなる虹がうっすらと・・・。

今朝の毎日俳壇に、
こんな句がありました。
  おしろいの咲いて灯のつく診療所  大阪市 吉田昌之

昨日、買った『室生犀星俳句集』(岩波文庫)に、
犀星の妻「とみ子」の句が載っています。
  雨ふりてくちなしの花しぼみけり  とみ子

この句について、
娘の室生朝子が書いています。
  雨が降ったので、
  くちなしのつぼみが衰えたのではなくて、
  くちなしのつぼみが衰えそめたころから、
  雨が降り続きはじめたのだ。
            (「杏の句」より)

おしろい花が咲いたから灯が点(つ)いたのではなく、
あしろい花はずっと前からそこに咲いていたのだけれど、
あたかもそんなふうに見えたのです。

散髪したから虹が出たのではなく、
虹はその前から出ていたのですが、
あたかもそんなふうに思われたのです。