用事があって、
内中原に出かけて、
ちょっと足を延ばして城山に行きました。
菊花展の時期だなと思ったからです。

どうやら昨日までだったようです。
後片付けもほぼ終わっていました。

旬1

そこで、
昨日の一句。

  菊花展 石垣りんの 幻の花  清志

字余りが「がっかり」を引きずっている。
などと、
他人の句のように評してみる。

     幻の花
             石垣りん
  庭に
  今年の菊が咲いた。

  子供のとき、
  季節は目の前に
  ひとつしか展開しなかった。

  今は見える
  去年の菊。
  おととしの菊。
  十年前の菊。

  遠くから
  もぼろしの花たちがあらわれ
  今年の花を
  連れ去ろうとしているのが見える。
  ああこの菊も!

  そうして別れる
  私もまた何かの手にひかれて。
     『永遠の詩 05 石垣りん』(小学館)