【向田理髪店】2022・11・4
2022年11月04日
昨日の一日一冊は、
奥田英明『向田理髪店』(光文社文庫)
少し引用します。
年寄りは淋しがっているなどと決めつけるのは、
現役世代の傲慢な思い込みなのかもしれない。
だいたい八十歳の母だって、
毎日することもないのに、
のほほんと生きている。
(「祭りのあろ」)
娘の幸せな結婚を願っているが、
過疎地へ嫁ぐとなればどうしても反対してしまう。
しかし、息子の結婚を思うと、
それはそのまま自分に跳ね返ってくるのだ。
まったく、どうしてこんな町にうまれたのか、
・・・若い頃から何度もつぶやいた言葉である。
(「中国からの花嫁」)
過疎地はどこでもこうだろうという話ばかりだけれど、
現実にはこんな町はないだろうという思いも・・・。