【翠雨の人】2022・11・5
2022年11月05日
毎月届けていただく「波」(新潮社)は、
楽しみにしている連載小説が載っています。
伊予原 新「翠雨の人」がそれです。
「翠雨」は、
若葉のころに降る雨のことです。
「翠雨の人」、
今月号で第11回になりました。
中央気象台研究部の三宅課長が、
専修科で数学の授業をすることになった「勝子」たちに言います。
専修科に迎える生徒だけでなく、
あなたたちも一生懸命勉強しなくてはいけませんよ。
ここでは確かに十分な研究はできない。
だからといって遊んでいてはいけない。
もう戦争は終わります。
じきに戦争は終わるのですから、
今のうちにしっかり勉強して、
エネルギーを蓄えておくことです。
時は昭和20年6月、
処は疎開先の長野県。
先見の明でしょうか?
情報に聡いのでしょうか?
それとも、
確固たる信念でしょうか?
いずれにしても、
若い人を導くのは、
こういう人なのだろうなと思います。