毎日歌壇から一首
  《自死の衝動に千回耐えたヒト》として就職市場に出たい  富里市 宇井香夏

こういうことを思う人がいるのだ。
こういう歌を詠む人がいるのだ。
こういう生を送る人がいるのだ。

心がしんとしました。

 

読売歌壇から一首
  巡回を終えたる朝の仮眠室 蚊にくわれつつ『赤光』を読む  下田市 後藤瑞義

仮眠室で『赤光』を読む人がいるのだ。
  みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞただにいそける  斎藤茂吉
  死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる  斎藤茂吉

もう覚えているのはこの二首になってしまいました。

仮眠室を思い、
『赤光』をそらんじて、
心がしんしんとしました。