【昨日の歌壇】2022・11・17
2022年11月17日
毎日歌壇から一首
《自死の衝動に千回耐えたヒト》として就職市場に出たい 富里市 宇井香夏
こういうことを思う人がいるのだ。
こういう歌を詠む人がいるのだ。
こういう生を送る人がいるのだ。
心がしんとしました。
読売歌壇から一首
巡回を終えたる朝の仮眠室 蚊にくわれつつ『赤光』を読む 下田市 後藤瑞義
仮眠室で『赤光』を読む人がいるのだ。
みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞただにいそける 斎藤茂吉
死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる 斎藤茂吉
もう覚えているのはこの二首になってしまいました。
仮眠室を思い、
『赤光』をそらんじて、
心がしんしんとしました。