昨日の一冊は、
はらだみずき『海が見える家 逆風』(小学館文庫)

旬1

「待望の第3弾」とあります。

  おいらは山んなかで生きとる。
  昔から食うもんの多くを山から授かった。
  自分の手で獲ったものを食うのがあたりまえの喜びさ。
  だから自分の手で獲って、
  自分で殺して食う。
  それがまっとうだと思っとる。
  そういう行いを大切にして生きていたいんさ。

  なにも、
  だれもに、
  そうすべーなんてことを言いてえわけじゃねえ。
  でもな、
  自分ができることをよそに任せてばかりいたら、
  生きることの意味がわかんねぐならねえか。
  実感できなくなるんじゃねえか。
  そんな気がするんさ。

猟師の「市蔵」の言葉はまっとうだ。