【続・いちにち、古典】2023・2・2
2023年02月02日
『源氏物語』から二か所。
源氏が、
紀伊守邸で、
「空蝉」と一夜をともにしたときの記述。
鶏も鳴きぬ。
人々起き出でて・・・(「帚木」)
源氏が五条の「夕顔」の家に泊まったときの描写。
明け方も近うなりにけり。
鶏の声などは聞こえで・・・(「夕顔」)
宮中や貴族の屋敷では鶏が鳴くのに、
庶民の家では鶏の声がしない。
この不思議にも触れてあります。
庶民の家でも鶏は飼っていたが、
それは卵を産む雌鶏だったようです。
時を作る鶏は卵を産まない雄だけであり、
闘鶏に使われるのもまた雄の鶏なのだ。
ばるほど、
そういうことなのか。
古典を丹念に読んで、
事実を一つ一つ積み上げておられる。
学問というのはこういうものだろうなと、
ある感慨がありました。