今朝の一冊は、
クラフト・エヴィング商會プレゼンツ『犬』(中公文庫)

旬1

阿部知二、網野 菊、伊藤 整、
川端康成、幸田 文、志賀直哉、
徳川無聲、長谷川如是閑、林芙美子が、
それぞれ犬のことを書いています。

こんなにも「犬」を愛する人がいるのだ。
こなんにも「犬」で文章が書ける人があるのだ。

  先頃、川端康成氏の御紹介で、
  「みゝづく」を一羽買った。
  部屋の中に何か別な愛玩動物が出来た事を、
  此犬はさつしてしまつたのか、
  二三日ぶらりと家を出てしまった。
      (中略)
  此様な犬にも嫉妬の気持ちがあるのだらう。  
             (林 芙美子「犬」より)