「母の友」(福音館書店)の三月号に連載の、
小林エリカ「母の冒険」、
今回は第22話「気持ち」でした。

旬1

  相手の気持ちになって考えてごらんなさい、
  というような話を聞くたびに、
  私は心底焦る。

でもそれがなかなか難しい。
  そもそも私は私自身の気持ちでさえ、
  よくわからのだから。

という彼女に転機が訪れます。
  北欧だったかどこかでは、
  いじめや差別をしない、
  他人に優しくするとか、
  友だちと仲良くするとか、
  そういうことは全て技術であり、
  学ぶものなのだ、
  というようなことを読んだ時には、
  目から鱗(うろこ)が落ちた。
      (中略)
  私たちに必要なのは、
  みんな仲良く、
  平和が大切、
  とか、

  気持ちをスローガンにして掲げることではなく、
  具体的な技術の学習と、
  実践なのかもしれない。

  私はそろそろ、
  気持ちの沼から抜け出したい。

確かにそう思います。
情緒ではなく技術なのです。
祈念ではなく実践なのでしょう。