小川未明の童話、
注文していた童話集が届きました。

一昨日が新潮文庫で、
昨日が岩波文庫でした。

旬1

『小川未明童話集』(新潮文庫)は25編、
『小川未明童話集』(岩波文庫)は32編を収録しています。
そのうち両方にあるものが12編あります。

まずは、
ダブっていない新潮文庫の13編を読みました。

  赤くなったつたは、
  勇敢な若いすぎの木のいっていることを聞いて、
  なんとなく年をとってしまった自分の身の上を、
  恥ずかしく感じたのであります。
          (「雪くる前の高原の話」より)

なんとなく年をとってしまい、
なんとなく生きている今の自分を重ねました。

  もし、そのとき、
  町から、村へ、バスが通っていたら、
  どんなになるか、便利なことであろう。
  そう、考えると、
  このときまで、頭の中にあった、
  商売上のことや、一身の損得などということが、
  一しゅんに落ち葉のごとく吹き飛んでしまって、
  ただ世の中の明るくなるのが、
  なにより喜ばしいことであるように感じられ、
  また、多くの人たちがしあわせになるのを、
  真に心から望まれたのでありました。
            (「とうげの茶屋」より)
まだ間に合うのか、
もう遅いのか、
身にしみて思いました。