2月21日の山陰中央新報、
大松達知「短歌はいま」は、
“骨太な第一歌集”として二冊が紹介されていました。

鈴木加成太『うすがみの銀河』(角川文化振興財団)
  けふよりあすへ疲労はほそき橋として架かる 

  落葉園まぶしき昼を歩みゆけば sacrifice といふ音(おん)を踏む
「サクリファイス」は「犠牲」という意味だそうです。

千葉優作『あるはなく』(青磁社)
  失くしたと気付かなければえいゑんに失くしたものになれないはさみ

  「了解」のたった二文字がさざなみのやうにさびしいゆふぐれの来ぬ

普段、あまり意識しない日常の深淵をのぞいた思いがします。

「輪郭がはっきりしている」という意味で、
「骨太」といっているようですが、
「骨太」というより、
限りなく「繊細」な歌のように、
私には思われます。