昨日の一日一冊は、
ひろさちや『釈迦物語』(新潮文庫)

旬1

「文庫版のためのあとがき」から、
ところどころ引用します。
  小乗仏教においては、
  釈迦はあくまでも人間です。

  大乗仏教においては、
  釈迦は最初から仏陀です。

  じつは、
  そのことを意識して書いたのが、
  この『釈迦物語』です。
  釈迦の本質は宇宙仏の分身ですが、
  しかし同時に肉体を持ち、
  いまから二千五百年前のインドにおいて、
  歴史的人物として生きた人間です。

  それは、
  イエスが神の子であり、
  神から遣わされた存在でありながら、
  二千年前のパレスチナの地において、
  人間として生まれたのと同じです。
  私は大乗仏教の立場に立ちながら、
  釈迦の歴史性にスポットをあてて、
  『釈迦物語』を執筆したのです。

だから、
どことなく『新約聖書」に似た趣があったのです。