【釈迦物語】2023・3・3
2023年03月03日
昨日の一日一冊は、
ひろさちや『釈迦物語』(新潮文庫)
「文庫版のためのあとがき」から、
ところどころ引用します。
小乗仏教においては、
釈迦はあくまでも人間です。
大乗仏教においては、
釈迦は最初から仏陀です。
じつは、
そのことを意識して書いたのが、
この『釈迦物語』です。
釈迦の本質は宇宙仏の分身ですが、
しかし同時に肉体を持ち、
いまから二千五百年前のインドにおいて、
歴史的人物として生きた人間です。
それは、
イエスが神の子であり、
神から遣わされた存在でありながら、
二千年前のパレスチナの地において、
人間として生まれたのと同じです。
私は大乗仏教の立場に立ちながら、
釈迦の歴史性にスポットをあてて、
『釈迦物語』を執筆したのです。
だから、
どことなく『新約聖書」に似た趣があったのです。