昨日の一日一冊は、
落合恵子の最新作『わたしたち』(河出書房新社)

旬1

  わたしたちは、
  十三歳になる一九五八年の四月に出会った。
  以来、
  濃淡はあっても、
  一時途切れることはあっても、
  つきあいはずっと続いてきた。
  東京都の学校給食に牛乳が加わった年、
  エルヴィス・プレスリーがアメリカ合衆国陸軍に入隊した年に、
  希美(のぞみ)学園に入学した。
      (中略)
  佐智子の人生はいやおうなく死をもって完結した。
  容子、美由紀、晶子の日々は未決を抱えたまま、
  いまここにある。
  十三歳で出会った「わたしたち」、
  わたしたちは、
  いまもまだ「わたしたち」だった。
  それぞれのわたしがいて、
  そうしてやはり「わたしたち」だった。

1958年から2021年までの「わたしたち」に、
妻とその友人たちを思い重ねて読みました。  「