【じゃむパンの日】2023・3・13
2023年03月13日
昨日の一日一冊は、
赤染晶子『じゃむパンの日』(palmbooks)
「サンデー毎日」(2.19‐26号)で、
高橋源一郎さんが紹介していました。
去年の終わり近く、
突然、赤染晶子さんの「新刊」が姿を現した。
わたしは口コミでそれを知り、
ネットで注文して、
すぐに読んだ。
それが、『じゃむパンの日』だった。
そして、深く感動したのだ。
というか、ほんとうにおもしろかった。
こんなものを読みたかった。
そう思ったのだ。
42歳で亡くなった赤染さんが、
生前、書き残したエッセイを集めたものです。
ここ、いいなあと思った個所を引用します。
この夏、
わたしは自身の芥川賞作品『乙女の秘密』を、
この本屋で注文した。
小さな本屋で入荷が遅れていた。
店主は鼻息も荒く新潮社に電話した。
まだですかいな!
書いたはる人がほしい言うてはりますのや!
店主が胸を張る。
新潮社にぱあんと言うたりましたわ。
(「かまい」より)
この本屋さんのことをこんなふうに書いています。
京都の小さな商店街に小さな本屋さんがある。
わたしの母は娘時代に、
この本屋さんに下宿していた。
(「かまい」より)
文章は歯切れよくテンポよく、
中身は本当におもしろい。