少しずつ読み進めている単行本、
『ジュニア版 嵐が丘』(金の星社)
原作:E・ブロンテ
翻訳:大和資雄・十和田 操

旬1

本の帯に、
文藝評論家の福田清人さんが、
こんなことを書いておいでです。
いたく心を打たれました。

  若い季節は、
  あわただしく過ぎてゆく。
  しかし、
  この季節こそ人生で最も充実させて生きなければ、
  悔いを後に残す。
  青春の日を、
  若い季節を、
  充実させるものは読書である。
  私が、
  すでに遠い青春を省(かえり)みる時の一つの悔いは、
  もっと内外の文学書にふれておけばよかったということだ。
               (「精選された必読の書」より)

エミリー・ブロンテは、
生涯を通じて、
学校にはほとんど通わなかったそうです。
切れ切れの月日を集めても、
二年にも満たないそうです。

  しかし、
  ひとりで勉強し、
  シェイクスピアや、ミルトンや、スコットや、バイロンや、ワーズワスや、
  そのほか多くの大詩人たちの詩の本を熱心に読んで、
  自分の詩心を養い、
  たくさんの詩を作り、
  一つの小説を書きましたが、
  その小説『嵐が丘』は、
  多くの小説の中で、
  いちばん詩の心の強い傑作なのです。

     (解説「エミリ・ブロンテと作品」大和資雄より)