昨日の一日一冊は、
辻村深月『ツナグ~想い人の心得~』(新潮文庫)

旬1

自分の人生に意味があるのか。
歴史に名が残るかどうか。
(「歴史研究の心得」より)

若い頃はこんなこと、よく考えた。
老いた今は自分がこの世に残るかどうか。

事件性は低く、
娘の死は事故として処理されました。
・・・事実、その通りだったろうと思います。
たとえ水に落ちる音を聞いた覚えがなくても、
子どもは、
あんなふうに静かにいなくなってしまうことも、
あるんだと思います。
(「母の心得」より)

このあいだも、
こんなこと読んだなあと思いました。
そうして、
こんなこと書いたなあと思います。

変わらない明日が来ると信じられるのは傲慢な考えだったのだと、
歩美が知るのはそれよりもまだ少し先のことだった。
(「一人娘の心得」より)

若い頃は傲慢でも、
やがては鈍感となり、
老いた今は願望になっている。