よぶこえの引き出し

【よぶこえ】第2331号「誠実の人」 2018・10・10(水)

2018年10月10日

【誠実の人】
昨日、
紙上歌壇に投稿なさった方から、
懇篤なメールをいただきました。

こんな文言があって、
読みながら、
「誠実の人」だなあ~と、
心に沁みて思いました。
  新聞投稿短歌、
  読んで頂く方もいらっしゃるんですね。
  簡単に投稿してはいけない、
  もっとちゃんと、
  勉強して、
  作歌して、
  投稿して参らねばと身を引き締めました。


以前、
ブログで、
この方の歌を取り上げたことがありました。

  今週の紙上歌壇。
  二字が気になって、
  一首ずつ選びました。
という中に、
この方の歌がありました。

  《哲学》朝日寒暖
    みずからのにぎにぎかざしてじっと見る赤児の眉に漂う哲学  (枚方市)東大路エリカ

いただいたメール、
個人的なメールですので、
そのあたりを心に留めながら、
選び選び引用します。

  赤ちゃんが、
  自分の手をじっと見て、
  「一体なんなんだこれは」と、
  眉をひそめる、
  深く考えている。
  そんな様子を思い出して詠んだ歌でした。

「赤児」と「哲学」の配合に、
  違和感を持たれたのやもしれませぬが・・・、
と書いておいででしたが、
「違和感」を持ったから取り上げたのだと思います。

そのときのことを思い出しながら、
こんなふうに返信しました。
  哲学の二字に、
  上質の観察眼と、
  深い洞察力を感じました。
  ・・・ということをお伝えしたく、
  返信しました。

「誠実の人」は、
「観察の人」であり、
「洞察の人」でもありました。 



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ここらで、
ちょっと、
ひと休み。
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 【よぶこえ】第2331号「誠実の人」 2018・10・10(水)



【心の小部屋】
今週の紙上歌壇、
マーカーでマークした歌を読み返して、
引用する歌を選んでいたら、
その中に、
東大路エリカさんの歌がありました。

メールをいただいた方の歌を、
奇しくも、
二週続けて選んだことに、
この方の歌の力と同時に、
この方との縁も感じました。


《朝日歌壇》
  母さんをするの初めてなのだから間違いもするあなただけじゃない (枚方市)東大路エリカ


《読売歌壇》
  帰り来るたび小遣いをくるる孫 二歳より吾を母と慕ひて  長野県 羽毛田 栄


《毎日歌壇》
  地球儀を回しゐる子がやうやくに日本見つけて小さきに驚く  伊丹市 岡本信子


《山陰文芸》
  少女らのぬぐう汗の香ほのとしてわが若き日もそうでありしか  江津 岡本美津子


私の心には幾つもの小部屋があります。
この四首、
きれいそろえて、
同じ小部屋にしまいました。  

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