よぶこえの引き出し

【ブログ】「人それぞれ」2018・12・4

2018年12月04日

【比較的】
今朝の空気、
比較的暖かです。

そして、
この空から、
冬の雨が降っています。
比較的柔らかく・・・。

 【ブログ】「人それぞれ」2018・12・4




【かなしみの青】
今朝の空を見て、
昨日の毎日歌壇を思い出しました。
 
  かなしみの青を消し去る夕焼けに頬やわらかき幼(おさな)と歩く  富士宮市 永松郁子

空の青を、
かなしみの青・・・と思う人もあるのだ。
人それぞれだなあ~と思います。



【人それぞれ】
昨日の山陰文芸に、
その「人それぞれ」がありました。

  まとまらぬ夫婦の会話 終止符は人それぞれといつもの流れ  松江 井原敏之


我が家の場合、
夫婦の会話は、
人それぞれでは終わりません。
それもまた、
人それぞれだなあ~と思います。


読売歌壇からも、
朝日歌壇からも、
「人それぞれ」を探しました。 

《読売歌壇》
  マネキンの腕の角度を丁寧に 整骨医のごと治す店員  池田市 今西幹子


《朝日歌壇》
  ダバダバダ記憶の底に刻まれた音の真中に生きてゐたんだ (茨木市)瀬川幸子


マネキンと店員の光景、
フランシス・レイの「男と女」、
こういうふうに感じたことは、
私にはありませんでした。

人それぞれだなあ~と思います。
一つの風物、
一つの光景、
人が変われば、
こうも感じ方が違うのだ。


読売俳壇に、
こんな句があって、
この感覚も、
「人それぞれ」
を感じました。

  エンピツの2Hほどの寒さかな  名取市 里村 直

その感じ方で言えば、
今朝の空気は、
HBぐらいでしょうか?


先月、
本町堂で買った古本を、
昨夜、
ふとんの中で読みました。

小田島雄志『シェイクスピアに学ぶ 老いの知恵』(幻冬舎)  

 【ブログ】「人それぞれ」2018・12・4



『アントニーとクレオパトラ』に、
  神々は、
  われわれを人間とするために、
  なんらかの欠点をお与えになる。
という台詞があるそうです。

筆者が、
この作品を訳したのは、
四十代だったそうです。
その時は気づかなかったことを、
六十歳を過ぎたころから、
このセリフの奥の深さに気づき、
愕然としたそうです。

  人間には誰しも欠点があるというのは、
  小学生でも知っていることだろう。
  しかし、
  「人間誰しも欠点がある」ということと、
  「人間であるために欠点がある」
  つまり、
  「欠点があるから人間なのだ」
  ということはずいぶん違う。

  そして、
  「欠点があるから人間なのだ」
  と思えば、
  たいていの人間のことは許せるようになるのだ、
  年をとると。


私は、
年をとって益々、
人が許せなくなりました。

この本の主張に添って、
正確に言うと、
欠点は許せても、
欠点がもたらす行いは、
加齢とともに、
ますます許せなくなった・・・のです。


これもまた、
人それぞれ・・・でしょうか?




【冬じたく】

 【ブログ】「人それぞれ」2018・12・4



【冬が熟す】

 【ブログ】「人それぞれ」2018・12・4




【昨日の夕日】

 【ブログ】「人それぞれ」2018・12・4
ページトップへ