よぶこえの引き出し

【立夏】2019・5・6

2019年05月07日

《買った記憶さえ無い》
片づけた部屋で、
整理した本を手にとっていたら、
すごいことに気づきました。

読んだ記憶の無い本が沢山ありました。
それどころか、
買った記憶さえ無い本もありました。

その中の一冊、
朝倉かすみ『たそがれどきに見つけたもの』(講談社)

 【立夏】2019・5・6




読み始めてすぐ、
「琴線に触れた一文」がありました。
  もちろん、
  なんにも感じないこともあって、
  ほんとうは、
  こういう日がいちばん多い。



《初夏》
夕方になって知りました。
今日は立夏だそうです。

そのことを知ってしまうと、
昼下がりに読んだ一節が、
また別の感慨をもってよみがえりました。

『たそがれどきに見つけたもの』、
その冒頭の一節です。
  海野伊智子と別れたあと、
  割り算をした。
  人生八十年とし、
  それを四で割ってみた。
  四は四季の四である。
  二十ずつ区切った年齢に、
  春夏秋冬をあてはめた。
  二十歳までが「春」。
  四十までが「夏」。
  還暦までは「秋」として、
  それより先を「冬」にした。
  今年五十のわたしは、
  秋の真んなかにいた。
  ほほう、
  と感心するように驚いた。
  そうか、
  わたしは実りの秋の真んなかにいたのであった。

してみると、
立夏は人生でいうと、
21際あたりでしょうか。

立夏の日に、
人生の立夏を迎えた人を思い浮かべて、
ある感慨がありました。


《立夏に見つけたもの》
梅の実  

 【立夏】2019・5・6



サクランボ

 【立夏】2019・5・6



グミの実

 【立夏】2019・5・6



夕空

 【立夏】2019・5・6
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