よぶこえの引き出し

【輾転たる】2019・5・18

2019年05月18日

《晴れやか》
卯木の花が咲きました。 

 【輾転たる】2019・5・18




紫陽花が花芽を付けました。

 【輾転たる】2019・5・18



その二つが今朝の晴れやか。
空は曇っても、
庭は晴れやか。
心は華やぎ。



《ざわつき》
昨夜から読んでいる本。
それが今朝のざわつき。 

 【輾転たる】2019・5・18



登場する小学生の母親のざわつきが、
そのまま私のざわつきになって、
いつまでたっても、
ざわつきがおさまりません。

ざわつき部分を抜き出します。

  若い担任の先生は、
  おっとりとした笑みを浮かべる。
  「問題ないですよ」

  その言葉だけで、
  未央は肩にこもっていた力が抜けていくのを感じた。

    最近では、
    随分じっとしていられるようになりましたし、
    突然歌い出すようなことも少なくなりました。

  そう続けられ、
  心底ほっとした。

  下敷きに入れた未央の“絵手紙”は、
  それなりの効果を発揮してくれたらしい。

    べんきょうちゅうに、
    かってにせきをたっちゃダメだよ。

    おんがくのクラスいがいでは、
    うたっちゃダメだよ。

  まだ二十代の、
  この先生を頼りなく思っている保護者は多い。
  だが、
  ベテラン教師から、
  圭の落ち着きなさを威圧的に指摘されていたら、
  ただでさえたったひとりで思い詰めている未央は、
  どこかで潰れてしまっていただろう。

  圭の通う学校では、
  学期の始めと終わりに保護者会がある。
  そこでよその保護者から問題提起がされるたび、
  未央は拾遺の様子をびくびくとうかがった。

  もしかしてそれは、
  圭のことなのではないか。
 
  「今の先生、問題意識が薄くて、本当に駄目よね」

    私、
    今度、
    副校長先生にちゃんとお話しようと思ってるの。
    一年生にこそ、
    ベテランの、
    もっとしっかりした先生をつけてほしいって。
   
    あの先生自体が“ゆとり”だからね。
    なんにも分かってないのよ。

  未央の浮き立っていた心が、
  一気に萎(しぼ)んで冷えていく。
  問題ないと言ってきうれた担任の先生の輪郭が、
  ぼやけて崩れていくようだった。


子どものことで、
うまくいかないと思っている親たちは、
この小説のように、
大抵は母親たちは、
おそらく、
このように日々を過ごしているのだろうなと思いました。

一人ぼっちで、
四面楚歌で、
孤軍奮闘し、
一人で、
悩み、怯え、困り果てているだろうなと思いました。

それが、
今朝のざわつき。




《輾転》
この晴れやかがとざわつきが、
今日の輾転(てんてん)たる物思いのはじまり。

  

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