よぶこえの引き出し

【5月のノート】2019・6・1

2019年06月01日

《5月のノート》
昨日で、
5月のノートがおしまいになりました。

離れに運ぶ前に、
いくつか残します。


《「折々のことば」から》
5/22
 人間て強いと思っているうちはすごく強いんですけれども、
 弱いと思ったらこんなに弱いものはないんですよね。
           (姉崎 等:アイヌ民族最後の狩人) 


5/23
 偏見を見ようとするなら、
 旅行するにしくはない。
      (伊丹十三が伝聞した言葉)

誰かに、
何かに偏見を持とうとするなら、
旅行するのが一番だ!  
・・・ということでしょうが、
よく理解できませんでした。

しかし、
鷲田清一さんの説明で、
納得しました。

  人は、
  旅行中、
  ある国の印象を、
  ごく些末(さまつ)な体験から作り上げる。

  店で受けた応接とか、
  税関で待たされた時間とか。

  迎える側も同じ。
 
  ともに、
  「儚(はかな)い印象」から、
  「確乎(かっこ)たる結論」を導く。

  旅を、
  現実から離れた「仮の」時間と軽く見ているうちは、
  人はついついそういう偏見に陥る。

伊丹十三が、
『ヨーロッパ退屈日記』の中で、
そんなふうに言っているそうです。

納得したとうなずきつつも、
こういうこと、
日常を離れた旅だけのことだろうか?
とも思いました。

日常生活でも、
些末な儚い印象から、
確乎たる結論を、
いとも簡単に導き出しているように思います。

そして、
ひとたび導き出した結論は容易に変えない。




《メモから》
ノートの余白に、
ちょろちょろっと書きつけたメモから。

どこで聞いたのか、
誰が言ったのか、
もう忘れてしまいました。

  ああ、
  これで、
  明日も、
  この世界があると、
  信じていける。

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