よぶこえの引き出し

【にじ】2019・6・5

2019年06月06日

《にじ》
廊下を歩いていたら、
教室からギターが聞こえてきました。

開け放たれた入口に立って、
しばし見ていました。

女性の先生が、
ギターを弾きながら、
歌っておいででした。

「にじ」でした。

あったかい声でした。
やっさしい音色でした。

仰向けに寝転んだ子どもが、
すっごく喜んでいました。

  ♪にわのしゃべるが  いちにちぬれて
  ♪あめがあがって  くしゃみをひとつ
  ♪くもがながれて  ひかりがさして
  ♪みあげてみれば
  ♪ららら
  ♪にじがにじが  そらにかかって
  ♪きみのきみの  きぶんもはれて
  ♪きっとあしたは  いいてんき
  ♪きっとあしたは  いいてんき

ねっころがった子どもが、
手も足も背中もお腹も、
からだじゅうを思いっきり使って、
いっぱいいっぱい歌っていたんです。

 【にじ】2019・6・5




《小さな「っ」》
小さな「っ」を、
いっぱい使ったので、
あの詩を思い出しました。

      となり
            田中章義
  「ゆっくり」とか「ほっと」という言葉の中の
  小さな「っ」は、
  それだけでは意味がない。
  でも、となりに他の言葉がくると、
  とたんにぐんぐん活きてくる。

  何かに、とってもよく似ている。

  晴れた空では
  大きな星が小さな星にいろんな話を
  きかせてあげているのだろう

  僕らが生まれるずっと前から
  宇宙はきっと、そんな場所だった。
    (木坂 涼/水内喜久夫編著『いま 中学生に贈りたい70の詩』たんぽぽ出版より)

 【にじ】2019・6・5




《とってもいいけしき》
あったかい・・・と、
やっさしい・・・と、
おもいっきり・・・と、
この三つがそろって、
とってもいいけしきでした。

まるで、
修学旅行の記念写真のように、
だいじにだいじにアルバムに貼っておきたいような、
そんなけしき・・・でした。

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