よぶこえの引き出し

【ついつい】2019・6・16

2019年06月16日

《ついつい》
先週の紙上歌壇から、
ついつい、
心に心を重ねた歌、
ついつい、
心がほどけた歌、
ついつい、
心に翳(かげ)りがさした歌、
ついつい、
ついついな歌を選びました。


朝日歌壇
  「あたしもう年長なのよ」と幼子は言いて籠持ちレジに並びぬ (船橋市)押田久美子 

  保護者との長き電話の同僚に目で合図して静かに帰る (湖西市)佐藤きみ子



読売歌壇
  ランドセル地に押しつけて小学生仰向き寝(い)ねて空見つつ笑ふ  八王子市 関山正雄

  あさっては「もっとあした」の幼子に「もっと」の「あした」輝け  たつの市 七条章子



毎日歌壇
  ただいまにおかえりというそれだけの永遠に醒めない夢のぬかるみ  京都市 小川ゆか

  職場よりわが薬局に泣きてくる少女が口を開くまで待つ  秋田市 山田愁眠



山陰文芸
  裁縫も料理もみんな大嫌いでも大丈夫よと笑みて嫁ぎし  安来 仙田典夫

  足湯しつつ出で湯の桜愛でいれば異国のことば乙女らも笑み  松江 恩田令子



《いわれてみれば》
午前中、
大庭みな子訳の少年少女古典文学館4『“枕草子』(講談社)を、
ぱらぱらとめくりました。

彼女が、
ときどき、
訳を離れて、
自分の感想を述べています。

たとえば、
こんなふうに・・・。
「いわれてみれば、そのとおりと思うことばかりである」

今週の紙上歌壇も、
「いわれてみれば、そのとおり」の歌が多く、
その中から特に、
「いわれてみれば、そのとおり」の歌を選びました。

 【ついつい】2019・6・16




『枕草子』からも、
少し引用したいですが、
それはまた別の機会に・・・。

ページトップへ