【昨日のいいもの】2019・6・27
2019年06月27日
《昨日のいいもの》
読んだもの。
吉本均編著『「まなざし」で身(み)に語りかける』(明治図書)
教師の語りとは、
すでに存在していることを説明したり、
解説したりすることではない。
そうではなくて、
まだ実在していない、
しかし、
そうあってほしいことを願い、
語ることなのである。
素晴らしい俳優というのは、
言葉を語ることによって、
魅力を発揮できる人間のことであり、
観客の気分を、
非日常的なものに誘うことができる人間のことである。
これが、
人を騙(だま)すという「騙(かた)り 」=「語り」だと言われている。
(鈴木忠志著『演劇とは何か』(岩浪新書)
教師の語りは、
これとまったく同様なのである。
素晴らしい教師というのは、
ことばを語ることによって、
魅力を発揮できる人間のことであり、
子どもたちの気分を、
まだ存在しない、
しかし価値あるものに、
誘いこむことができる人間のことなのである。
われわれ教師は、
子どもたちに、
ことばを語るプロである。
プロとしての語りとは、
子どもたちに、
いまだ、
できていないこと、
しかしどうしても、
「なってほしい」ことを願いをこめて語りかけなくてはならない。
そうすれば、
現実に、
子どもたちは、
そうなるのであり、
できるようになるのである。
そういう巨大な力、
実在していないものを呼びおこす力を発揮するのが、
まさに、
われわれ教師の語りの本質なのである。
ユッサユッサと心が揺さぶられ、
グラグラと心が沸き立つのを感じます。
《昨日のいいもの》
知ったもの。
《昨日のいいもの》
見たもの。
《昨日のいいもの》
見つけたもの。