よぶこえの引き出し

【幼児と文学】2019・7・14

2019年07月14日

《先週の紙上歌壇》
四紙をめくって、
短歌を読み進めていると、
どうしても、
幼い人たちへのまなざしと、
文学への心模様に心引かれます。


《幼い人たちへのまなざし》
朝日歌壇から一首。
 「起きないで~」呪文をかけつつ家事をした息子を今は起こすのに苦労 (東京都)上田結香


読売歌壇からも一首。
 「医師になりて人の命を救ひたい」と言ひゐし少女が殺されにけり  国分寺市 金平山男


毎日歌壇からも一首。
 伸びちぢみする脚いまだぎこちなく吾子はエコーに影絵のごとし  池田市 寺坂誠記



《文学への心模様》
朝日歌壇から一首。
 谷崎も円地訳にも挫折して おせいさんでようやく源氏が読めた (水戸市)中原千絵子


山陰文芸からも一首。
 気にせずにゆっくり読んでと言われ借る亡きご主人の周五郎全集  浜田 沖田邦子


中原さんの歌に触発されて、
田辺聖子『新源氏物語』(新潮文庫)
田辺聖子『私本・源氏物語」(文春文庫)
田辺聖子『源氏がたり』(新潮文庫)
全部で9冊、
買いました。
でも、
一ページも開いていません。

そのうち開くでしょう。
気が向けば・・・。


大事なのは、
開くか開かないかではなくて、
手元にあるかどうかです。

読みたくなったとき、
側になかったら、
すぐに、
その気が失せてしまうものです。

何ごとも、
あるとないでは大違い・・・です。

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