よぶこえの引き出し

【記憶に留めよう】2019・7・27

2019年07月27日

《読了》
古内一絵『十六夜荘ノート』(中公文庫)を、
昨夜、
読み終えました。

 【記憶に留めよう】2019・7・27




《記憶に留めよう》
記憶に留めようと思った処が、
三箇所ありました。


一つ目は、
真一郎がカシミール地方について語る場面です。
  暮らしていくのは大変だけどね。
  でも、
  そういうところには、
  本当に敬虔(けいけん)な人たちがいてさ、
  子供はよく働くし、
  明るいし、
  空はもう、
  成層圏まで突き抜けるかってくらい澄んでるし。 
  とりあえず、
  色々なことがどうでもよくなるよ。


二つ目も、
真一郎の言葉です。
  人も月と同じで、
  満ちてくときもあれば、
  欠けてくときだってあるのよ。

  そりゃあ、
  世間は光の当たっているものや、
  勢いのあるものしか認めない傾向があるけどさ。
  満ち欠けがあるのが自然なのよ。

  人も国も社会も仕事も、
  恋愛もね。

  完璧な状態だけ追い続けてたら、
  おかしくなっちゃうよ。


最後は、
教授の言葉です。
  日本の戦争が終わった後も、
  私たち架橋を待ち受けていた運命は苛酷すぎました。
  でも、
  どんな時代の中でも、
  確かな人たちは・・・、
  自分に確かでいようとする人たちは、
  いたのですよ。


「確かな人」、
「自分に確かでいようとする人」、
この二つ、
私の中では、
「まっとう」に匹敵する言葉になりました。 




《おまけ》
今朝の空。

 【記憶に留めよう】2019・7・27  【記憶に留めよう】2019・7・27
ページトップへ