よぶこえの引き出し

【大大大琴線】2019・7・29

2019年07月30日

《夜》
入院中の高校生を訪ねる。
彼が今の思いを語る。

「手術の夜」を語る。
  夜はこんなにも長いのかと思った。
  夜中に何度も目が覚めて、
  その度に時計を見ても、
  30分も経っていない。

  夜は長くて夜明けが遠い。

  でも、
  「夜明けは確かにやってくる」
  誰かの言葉を思い出して、
  長くて孤独な夜を耐えた。



《大大大琴線》
どうしても伝えたいことが二つあると言う。

まずは、
「当たり前を感謝に変える」
  手術したら、
  その日から、
  いままで当たり前にできていたことが、
  一つもできなくなって、
  全部、
  誰かの世話になる。

  何度も何度もナースコールする。
  その度に、
  看護師さんがやってきて、
  当たり前のことを当たり前にやってくださる。

  どんな時間でも、
  どんなことでも、
  優しく丁寧似してくださる。

  温かいなあと思う。

  ありがたいなあと思う。

  このことを忘れてはいけないと思った。

  そして、
  「当たり前」の反対は「ありがとう」だと思った。

  ここ最近で最大の感動。

  人生の目標が決まる。
  「世界の当たり前を感謝に変える」

  大大大琴線。


二つ目は、
「この自分は自分だけのものじゃない」

  数時間にも及ぶ手術は、
  お医者さんや看護師さんをはじめ、
  全部で11人もの方のお世話になったそうだ。

  自分は自分だけのものじゃないと、 
  改めて思った。

  なまけたくなる時もある。
  後ろ向きになることもある。
  投げやりの自分もいる。
  
  自分が自分だけのものなら、
  それもいいだろう。
  でも、
  自分は自分だけのものじゃない。

  たくさんの人の力添えで、
  今の自分がここにいる。

  たくさんの人の思いや願いによって、
  自分はこうして生かされている。

  自分の道を見失いそうになったら、
  入院してからの日々を思い出そう。

  自分の人生を、
  自分だけの人生と思わないで、
  お世話になった人みんなのために生きていこう。


おおよそ、
こういうことを語りました。

おおよそ、
こういうことを伝えたかったと言います。


彼は、
いずれ、
このことを文章にします。

私は聞き書きですから「おおよそ」ですが、
彼は「きっちり」書き上げるものと思います。

その完成が、
私のこの夏の楽しみです。



《空》
帰りに見た空が、
なんだかとってもステキに心に映りました。

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