よぶこえの引き出し

【小泉八雲という人】2019・8・7

2019年08月07日

《小泉八雲熊本旧居》
小泉八雲旧居、
熊本にもありました。
初めて知りました。

松江でいうと、
ヘルン旧居と小泉八雲記念館を一緒にしたような建物です。
 【小泉八雲という人】2019・8・7




《冊子》
小泉八雲熊本旧居(記念館)の館長さんと、
短時間で懇意になって、
熊本での小泉八雲を、
詳しく詳しく知ることができました。


帰りがけ、
「松江から来てくださったから」と、
残部が少ない中から、
特別に冊子をいただきました。

『ハーンゆかりの宇土半島探訪~小泉八雲先生~』
企画主催、
ジェーンズとハーン記念祭実行委員会
熊本県文化協会
熊本日日新聞社
熊本放送
JR九州

 【小泉八雲という人】2019・8・7




《小泉八雲という人》
その冊子に、
「停車場で」という文章が載っています。
かいつまんで言うと、
こういう話です。

熊本で強盗事件が起こります。
その日のうちに逮捕されます。
男は警察に連れて行かれるとき、
逃亡を企て、
一人の警官を殺してしまいます。

逃げていた男は、
福岡にいるのを発見され、
熊本に護送されてくることなりました。

  それほどの重罪人が停車場へ着くというので、
  わたくしも、
  大ぜいの人たちといっしょに見物に行った。

殺された景観は、
土地の人に人望があったので、
景観に同情する人が多く、
その同情は犯人に対する憎しみとなって、
不穏な空気が満ちていたそうです。
八雲の言葉を借りるなら。
  ひょっとしたら、
  ひと騒動持ち上がるかもしれないとさえ思っていた。

ところが、
実際は、
予想外の展開になります。

その場に、
殺された警官の子どもいたのを、
犯人が見つけて、
子どもに向かって、
泣き叫びながら許しを請います。

  堪忍してくだせえ。
  堪忍してくだせえ。
  坊ちゃん、
  あっしゃァ、
  なにも怨みつらみがあってやったわけじゃねんでござんす。
  ただもう、
  逃げてえばっかりに無我夢中でやった仕事なんで。
      (中略)
  これから死にに行くところでござんす。
  あっしゃァ死にてえんです。
  よろこんで死にます。

何度も何度も、
「勘弁してやっておくんなせえませ」と、
懇願しますが、
子どもは、
黙って泣いています。

その後が、
小泉八雲らしい。。。のです。

  と、
  いきなり、
  群集ぜんたいが、
  きゅうに、
  しくしくすすり泣きをはじめたのである。
  
同時に、
八雲は独特の感覚で、
稀有のできごとを書きとめています。

  かつて自分が見たことのないものを、
  いや、
  だれも見たことのないものを、
  おそらく、
  この先、
  二どと見ようと思っても見られないものを、
  おそらく、
  この先、
  二度と見ようと思ってもみらればいものを、
  日本の警官の涙をそこに見たのであった。

ページトップへ