【風が】2019・8・13
2019年08月14日
《夕焼け》
《風が》
台風10号、
松江には、
15日の夕方から夜のはじめに最接近だそうです。
その影響かどうか、
夜の運動に出たら、
風が強くなっていました。
月をバックに、
雲が滑るように流れています。
夜も更けて読んだ本に、
こんな箇所がありました。
当時、
秀は父親にべったりで、
海の中でも潤一の腕にぶら下がって、
ずっとはしゃいでいた。
由梨はあの頃からおしゃまさんで、
水着のフリルをいたく気に入り、
泳ぐよりもフリルを撫でるのに夢中だった。
十年経って、
憎まれ口ばかり叩く息子と、
小遣いをむしり取る娘に育つとは思いもしなかった。
何処で育て方を間違えてしまったのか、
という小さな悔いを、
佐和は首を振ることで脳裏から追い払った。
思うようには育たなかったけれど、
二人とも人としての道を踏み外したわけではない。
(髙田 郁『ふるさと銀河線』双葉文庫)