よぶこえの引き出し

【わくらばに】2019・8・21

2019年08月21日

《わくらばに》
朝の道を歩いていたら、
病葉(わくらば)を見つけました。

 

 【わくらばに】2019・8・21




季節季節に、
時期に応じて、
花は咲き、
実りの時を迎えます。

 【わくらばに】2019・8・21  【わくらばに】2019・8・21



でも、
その自然に逆らうかのように、
紅葉を待たずして朽(く)ちたり、
開花を待たずして蕾(つぼみ)で散ったり、
まれには、
そういうこともあるのが自然の営みです。

自然も自然なら、
自然でないことも自然なのです。

ここまで書いて、
このこと、
誰かの受け売りのような気がして、
ノートを繰(く)っていたら、
見つかりました。

朝日新聞、
8月8日の「折々のことば」でした。

  わくらばに(古語)

鷲田清一さんのコメントの受け売りでした。

  「まれに」
  「偶然に」
  という意味。

  わくらば(病葉)は、
  夏の頃、
  ときたま見られる、
  紅葉のように色づく朽ちた木の葉のこと。

  そこから、
  偶然を象徴的に表す語として用いられてきたという説がある。

  人には、
  色づく季節もあれば、
  蝕(むしば)まれ、
  枯れゆく季節もある。

鷲田さんのコメント、
次の一文が秀逸です。

  枯れゆくその季節の、
  早すぎる到来に、
  偶然の意味を託した古人の想いは、
  どこから来るのか。


咲いた花はやがて散る、
繁った葉もやがて枯れ、
命あるものはやがて死ぬ。

そういう生き物の運命(さだめ)の中にあって、
早すぎる到来を「まれに」と感じる心の奥深さ。

だからこそ、
「あたらわかいいのち」という言葉も生まれたのでしょう。

惜若い命

命は、
どの命も尊い、
そうはいっても、
惜若い命、
幼すぎて死ぬには惜しい命、
若すぎて亡くなるには惜しい命。   

ページトップへ