よぶこえの引き出し

【天地始粛】2019・8・29

2019年08月29日

《天地始粛》
昨日は忙しかったので、
カレンダーを見ませんでした。

昨日は、
七十二候の「天地始粛(てんちはじめて粛す」だったそうです。

カレンダーには、
「天地の気が粛然として万物があらたまる頃」
とあります。

粛然?
「広辞苑」第七版を見ると、
  しゅくぜん【粛然】おごそかなさま。かしこまるさま。しずかなさま。

なんだか難しい日だなあと思い、
夏生一暁『日々の歳時記』(PHP)を見ると、
「ようやく涼しい日が訪れる」とあって、
ここまでくだいてもらうと、
ちょっと分からないぐらいがいいのかな?
と思ったりもする。




《ちょっとわからないぐらい》
『日々の歳時記』の「今日の季語」は、
もちろん昨日の「今日の季語」は「秋」でした。

  この秋は何で年よる雲に鳥  松尾芭蕉

「何で年よる」?
よく分からない。
でも、
ちょっと分からないぐらいでいいのかもしれない。

ああだろうか?
こうだろうか?
そういうのがいいこともあります。

正岡子規の句も載っています。
  いのちありて今年の秋も涙かな

  行く我にとどまる汝(なれ)に秋二つ

分かるような・・・、
分からないような・・・。

その点、
横井也有の句はものすごく分かりやすい。
  秋なれや木の間木の間の雲の色

ここまで分かりやすいと、
ちょっと分かりにくいほうに、
心が向いてしまいます。



そういえば、
昨日の高校生が、
  「こころ」にも「こころ」がある
・・・というようなことを言っていました。

心が向いてしまう。
心惹かれてしまう。
心がなびいてしまいます。



《今朝の庭》 

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