よぶこえの引き出し

【8月だからか・・・】2019・9・1

2019年09月02日

《8月だからか・・・》
8月最後の紙上歌壇は、
8月だからか、
原爆とか戦争とか、
そういう歌が多くありました。

各紙から、
一首ずつ選びます。

山陰文芸
  孫たちの時代のために投票せり 戦争が廊下に立たないように  米子 倉井正喜

選者・寺井淳さんの【評】
 渡辺白泉の著名な句「戦争が廊下の奥に立ってゐた」をふまえて、
 この夏の一こまを詠まれました。
 巨大な流れは、
 時に、
 個人に、
 無力感を与えますが、
 意思表示はしておくことが必要です。
 それすらできない日が再来しないように。


朝日歌壇
  乳母車に妹乗せて火葬場へ母と歩きし戦時の記憶 (福岡市)藤掛博子


読売歌壇
  戦争の歌読みをれば戦争が近づくやうで夕のひぐらし  市原市 井原茂明


毎日歌壇
  お台場に興ずる君ら この場所は戦争孤児の収容所なりし  さいたま市 長谷川文彦




《おまけ》
朝日歌壇
  メロンパン彼の口からちぎり食ふ 信号待ちの夏服の女子 (霧島市)久野茂樹


読売歌壇
  あすのことはあすにまかせもう寝ますきょうのことなどきのうになあれ  松江市 中村浩二


毎日歌壇
  盆休み帰省した子がめずらしく土産をくれぬ彼女の里の  静岡市  柴田和彦

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