よぶこえの引き出し

【朝顔】2019・9・8

2019年09月08日

《朝顔》
今朝も、
朝顔が咲きました。

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《権利と義務》
確か、
あの本に、
朝顔があったような・・・。
そんな気がして、
書庫を探して、
ページを繰っていたら、
ありました。

『季節を知らせる花』(山川出版社)
白井明大・文
沙羅・絵

朝顔を詠んだ詩が載っていました。

    アサガオの種を
    いつもいつも蒔こうとおもっていて
    夏の終りにようやく一粒を土においたという妻が
    さっきまでこの部屋にねむっていた

    鉢が小さかったから残った種は
    アパートの前の草地にばらまいたという

    母親になったきみは平和を求めたにもかかわらず
    与えられるのは一つの権利だった
    精神のやすらぎを欲したのに
    みしらぬ義務を抱え込まされるばかりだ

    出かけて後にひろがる子どものぬくもり
    そのふるえやゆらぎを失くさないようにと
    おのれの声をみつめながら夜勤へと歩く
             (竹内敏喜「スクリプト」より)

  アパートの一室で、
  ベランダに蒔かれた朝顔の種は、
  いつしか芽を出し、
  蔓を伸ばし、
  早朝に花を咲かせるでしょう。
  その花を見上げながら、
  夜勤明けの女性が、
  我が家へと帰っていく姿が想像されます。


それにしても、
「おのれの声をみつめながら」
・・・なんといい表現であることか!

それにしても、
「ひとつの権利」と「みしらぬ義務」
・・・なんのことだろう?

 【朝顔】2019・9・8
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