【大根は双葉より】２０１９・９・１９

《大根は双葉より》
庭のプランター、
８月に蒔いた大根は葉が茂り、
９月に蒔いた大根は双葉が出ました。

順調そうに見えますが、
大きくなりすぎて、
プランターでは窮屈そうだったので、
何本か植え替えたら、
その日のうちにしなびれてしまいました。

親切が仇になる・・・でした。

双葉は毎日、
日光を浴びて、
半分しんなりします。
そして、
もう、
あんまり育ちません。

まだ大丈夫と植えたのが軽々でした。

でも、
残ったものは生き強い。

メダカも、
今年の夏は、
あまりの暑さに、
ずいぶん死んでしまいました。

でも、
残ったものは生き強い。


「栴檀（せんだん）は双葉より芳（かんば）し」
「大器は晩成す」

この二つ、
真反対のように使いますが、
実は、
同じ事の裏返しでは・・・と、
プランターの大根を見て思います。

晩成と思われるものも、
実は、
幼少のころから、
微かなる芳香、
密かなる光彩を放っていたのでしょう。

ただ、
周りの耳目が気づかなかっただけなのでしょう。


昔、
担任していた生徒のことを、
学年主任から、
「あの子はどんな子だ？」
と尋ねられて、
　　彼女は、
　　人間を見つめることに長（た）け、
　　人生を語ることに秀（ひい）でています。
と答えたことがありました。

その人は、
数年前に、
ある文学賞を受賞して、
今、
小説家として活躍しています。

私の耳目も、
そこまでは及びませんでした。

栴檀は双葉より芳し、
大根は双葉より瑞々し。

《秋空は双葉より》
今朝の空。

昨夕の空。

この空の奥深いところで、
今朝の空の双葉が、
ひっそりと芽生えていたのです。

栴檀は双葉より芳し、
大根は双葉より瑞々し、
秋空は双葉より秋らし。