よぶこえの引き出し

【二冊】2019・9・24

2019年09月25日

《二冊》
持ち越していた「二冊」

宮城谷昌光『春秋の名君』(講談社)
  桓公はなにかあるたびに、
  管夷吾にきけ、
  というので、
  ある人が皮肉まじりに、
  なにもかも管仲におまかせなさるのなら、  
  君主とは楽なものですな、
  というと、
  桓公は、
  管夷吾を得るまで苦労したのだ。
  管夷吾を得てから楽をして、
  悪かろうはずがない、
  といった。
       (「斉の桓公」より)

人から、
皮肉を言われようが、
図星を突かれようが、
腹を立てたり、
言葉に詰まったりせず、
こんなふうに、
率直に思うところを口にすべきだった、
そんなふうに思いました。


遠藤周作『年々歳々』(PHP研究所)
  毅然として死ねない人よ。
  それでいいではありませんか。
  人間をこえた大いなる天、
  大いなる命は、
  毅然として死ななくても、
  そんなことは問題にしないのだ。
       (「変わるものと変わらぬもの」より)

身も心も弱ってからではなく、
身も心も元気なうちから、
こういうことは正しく思い、
こういうふうに正しく言っておくべきだと思います。

 【二冊】2019・9・24
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