よぶこえの引き出し

【親と子の世界】2019・9・26

2019年09月26日

《漁港の肉子ちゃん》
昨夜から読み始めました。
西加奈子『漁港の肉子ちゃん』(幻冬舎文庫)

小学生の娘の目を通して、
その子の母親が語られています。

言葉巧みに、
容姿巧みに、
髪型巧みに、
経歴巧みに、
甘い言葉で言い寄ってくる男たちのことを、
そのたびごとに、
この子は一言のもとに切り捨てます。
  つまり、糞野郎だった。

男たちは、
一人が去れば、
また別の男がやって来る、
その度に、
母親を、
騙して裏切りポイっと出て行ってしまいます。

そんな「クソヤロウ」を、
ついには許し、
思い切ることができすに、
追いかけて行き、
当然のことながら見つけ出せず、
途方に暮れる母親を、
そのたびごとに、
この子は一言で包み込みます。
  ボロボロだった。


でも、
まだほんの20ページです。

 【親と子の世界】2019・9・26


《親と子の世界》
そんなこんなで、
今週の紙上歌壇は、
親と子の世界に絞りました。


朝日歌壇
 「勉強は学校だけじゃない」デモの娘と並ぶ香港の母 (近江八幡市)寺下吉則

読売歌壇
 幼児三人(みたり)つれて買物するママの背中に無言のエールを送る  伊勢市 浜口佳津美

毎日歌壇
 理不尽と泣く十三歳を抱きしめる生きるつてさういふこととは言はず  松戸市 花嶋八重子

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