よぶこえの引き出し

【屁理屈】2019・10・2

2019年10月02日

《屁理屈》
このごろ、
夜になっても、
室内は、
暑いような涼しいような・・・、
よく分からない夜気です。

昨夜、
なんだかちょっと寝つきの悪い夜中、
先日、
届けていただいた文庫を読みました。

槙あおい『神田まないたお膳手帖~白星にぎり~』(双葉文庫) 

 【屁理屈】2019・10・2



飯屋「まないた」で不思議なことが起こります。
お櫃(ひつ)一杯に炊いておいたご飯が、
あくる朝になると空っぽにっています。

父と娘は、
いろいろ思案もし、
あちこち尋ねて回りますが、
なかなか真相がはっきりしません。

親娘で寝ずの番をして、
とうとう「犯人」を見つけ出します。

義太夫修行を中途で辞めて、
「出戻った」妹の仕業でした。

見つかった妹の言葉は、
「ばれた?」でした。

この「ばれた?」には二つの意味があります。


ごはんを食べていたのがばれたのと、
妊娠がばれたことの二つです。


問い詰められた妹の言い訳。
  でも、
  嘘じゃないから。
  お櫃のご飯を食べたのは、
  お腹の子だもん。
  わたしは口を貸しただけ。

姉からは、
「つまらに屁理屈を言わないの」と、
たしなめられますが、
この屁理屈、
なかなかどうして、
気の利いた屁理屈です。

わが子が、
まだお腹にいるころから、
母は強し・・・です。 

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