よぶこえの引き出し

【寒露】2019・10・8

2019年10月08日

《寒露》
カレンダーには「寒露」とあります。
  朝夕は肌にやや寒気を感じ始め、
  そぞろ秋も深まりゆく。

夏生一暁『日々の歳時記』(PHP文庫)には、
  草木の露が冷たく感じられる

高浜虚子の句が載っています。
   肌寒も残る暑さも身一つ 


『カラー図説 日本大歳時記』(講談社)では、
  二十四節気の一つ。
  少しひんゃりと感じはじめ、
  すべてのものが透明度を増す。
  晴れ上がった日などでも、
  すでに暑いとは思わなくなり、
  万事すごしやすい候。

草間時彦の句が採られています。
   水底を水の流るる寒露かな

水の底を水が流れる・・・、
なかなかなる発想だなと思いました。



《なかなかなる》
「なかなかなる」で思い出しました。

昨日、
修学旅行の報告会に参加しました。

何人かの高校生が、
こんなことを口にしました。

  東京では、
  ぶつからないようにするためには、
  自分がよけるのではなく、
  人によけてもらうのがいいと学びました。

よけようとして、
車椅子の向きを変えると、
かえって人の迷惑になるということらしい。

車椅子に乗る人だからこその、
歩行がままならない人だからこその、
大胆だけれど、
的を射ている発想だと思いました。

なかなかなる発想です。

生きるための英知に触れた思いがしました。

高校生が学んだことで、
いまさらのように学ばせてもらいました。

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