よぶこえの引き出し

【二週分】2019・10・9

2019年10月09日

《二週分》
ノートに切り貼りしていた紙上歌壇、
二週分を一気に読みました。 

先週の四首。

朝日歌壇
 「あやす」とは「愛す」なるらし 若き母よ 泣く子をあやせぐずる子あやせ(八尾市)水野一也

読売歌壇
 初めての浴衣に毛深き脚を見せ留学生は踊りの列に  神奈川県 多田 宏

毎日歌壇
 この店でみぃと呼ばれてあの店でちゃこと呼ばれて生きていく猫  栃木市 早乙女 蓮

山陰文芸
 病院のベッドに在ればふつふつと己が身大事をあらためて思ふ  浜田 山本富士美



今週の四首

朝日歌壇
 「かき氷売り切れ」の紙捨てるとき高校最後の夏が香った (仙台市)赤松みなみ

高野公彦さんの【評】を見てわかりました。
  高校文化祭の歌。

読売歌壇
 孫娘にお尻ふいてと頼む父 あいよと答える それが我が家よ  常陸太田市 岡田広子

これも、
小池光さんの【評】を読んでみて、情景がよく分かります。
  高齢でもう自分のお尻も拭けなくなったおじいさんを、
  みんなでこうやって介護してくらしている家庭がある。
  感激した。
  「あいよ」と応ずる孫娘がすばらしい。

毎日歌壇
 笑い方 他の女の隣でもおんなじなんだストローねじる  橿原市  一ノ瀬礼子

山陰文芸
 畑打つ母の周りにいるだけで幸せだった幼き我は  益田 安田恒平



《あのできごと》

先週の朝日歌壇に、
あのできごとの歌がありました。

  結愛ちゃんはふるさと発つ日 見送りし祖父とハイタッチ「じいじいってくるね」
                               (東京都)岡 純

昨日の山陰中央新報に、
その事件の公判記事が載っていました。

    本当に本当に申し訳ありませんでした。
    本当にごめんんさい。
  最終意見陳述で父親の雄大被告は、
  消え入りそうなか細い声で、
  謝罪を繰り返した。

どう読んでいいのか、
しばし黙考しました。

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