よぶこえの引き出し

【こども六法】2019・10・13

2019年10月13日

《こども六法》
先週の金曜日、
この本を届けていただきました。

山崎聰一郎『こども六法』(弘文堂)

 【こども六法】2019・10・13



本の帯に、
こんなことが書かれています。
  きみを強くする法律の本
  いじめ、虐待に悩んでいるきみへ
    法律はみんなを守るためにある。
    知っていれば、
    大人に悩みを伝えて解決してもらうのに役立つよ! 


第一章 刑法
第二章 刑事訴訟法
第三章 少年法
第四章 民法
第五章 民事訴訟法
第六章 日本国憲法
第七章 いじめ防止対策推進法

第七章を開いてみましょう。

まずは、
見出しから。
  大人にはいじめから子どもを救い
  いじめをなくす義務がある!

  大人たちみんなで
  いじめを防ぐ!

  先生たちはチームで
  いじめに対応するよ


本文から小見出し。
「壊されたもの、汚されたものを保管しておこう」
「ケガをしたとき、体調が悪いときは病院に行こう」
「友達とのやり取りを保管しておこう」
「日記をつけてみよう」
「注意すること」
「いじめから逃れることを諦めないで」

最後の、
「いじめから逃れることを諦めないで」から少し。
  いじめで苦しんでいることをわかってもらえれば、
  保護者も学校の先生も、
  きみのことを助けてくれるはずです。

  しかし、
  万が一それでも助けてくれないときは、
  両親と先生以外の大人にも助けを求める必要があります。

  両親と先生以外の大人に相談するのは、
  ちょっと勇気がいるかもしれません。
  でも、
  助けてくれる大人は必ずいるはずです。

  自分を守るために逃げていい、
  ということも忘れないでください。



《腐ったイチゴ》
「まえがき」に、
  小学校高学年以上の人が読めるように、
  なるべくふだん使っている言葉に近づけました。
と書いてあるように、
しかも、
漢字には全てよみがながつけられているので、
非常に読みやすい。

もし、
担任していたら、
クラス全員にプレゼントしたかもしれないし、
いま、
校長だったら、
クラスに一冊ずつ置いてもいいと思いました。


なのに、
第七章からの引用が、
あの小学校の、
あの四人の人たちがやったことで、
なんだかとっても空しく響きます。

「先生たちはチームでいじめに対応するよ」が、
「チームでいじめをする先生たち」のせいで、
なんだかとって虚しく響きます。

ほかのすべての先生たちの、
ひごろの努力と熱意と愛情が、
たった四人のために台無しになってしまう。


腐ったイチゴは、
それほどに大きな力を持っています。

化粧箱に入れられた100個のイチゴ、
その中にたった一個混じった腐ったイチゴは、
あとの99個の瑞々しいイチゴを気分的に汚してしまう。

たった一個が、
人の心を不愉快にしてしまう。

「悪貨は良貨を駆逐する」(トマス・グレシャム)
・・・けだし名言です。

でも、
台風一過の今朝の空を見上げて、
この青空のどこかに黒雲があっても、
人は、
それほどに不安や不吉を感じない。
反対に、
空を覆った黒雲の片隅に、
ぽっかり青空がのぞいただけで、
人は、
確かなる希望を感じる。


不思議だなあと思います。

 【こども六法】2019・10・13




《今朝の空》

 【こども六法】2019・10・13
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