よぶこえの引き出し

【思いがけない恵み】2019・10・28

2019年10月28日

《思いがけない恵み》
昨夜から読んでいた小説、
今朝、
読み終わりました。

柚月裕子『朽ちないサクラ』(徳間文庫)

 【思いがけない恵み】2019・10・28



最後の最後に、
思いがけない恵みがありました。

  親友を奪われ、
  自分が信じてきた倫理を崩されたいま、
  なにを信じたらいいのかわからない。
  でも、
  ひとつだけ、
  確固たる意思が胸の中にある。
  ・・・犠牲の上に、治定があってはならない。

「広辞苑」第七版を開く。
  じてい【治定】おさめさだめること。おさまりさだまること。

天下国家のためとはいえ、
人一人の命を犠牲にしてはならないということか・・・。 


久しぶりに手にした恩師の著書に、
一枚の紙が挟まれていました。

 【思いがけない恵み】2019・10・28



恩師の筆跡で、
恩師らしい言葉が、
力込めて書かれていました。

 【思いがけない恵み】2019・10・28



折々に、
恩師から言われた言葉を思い出しました。

  真理を探せ。
  人生は真理を見つける旅だ。

  キェルケゴールを読め。
  そして、
  「死に至る病」について考えるのだ。

  今日あって、
  明日は消える、
  そんな虚しいものを追うな。

  寝転がって読む本ばかりではだめだ。
  ときには、
  きちんと正座して本を読め。
  人間、
  そういう本がなければならない。

  内村鑑三を読め。
  『後世への最大遺物』を読むのだ。
  そうして、
  今をどのように生き、
  後世に何を遺すのか考えろ。

  何か良いことをすると、
  まるでその影のように、
  自分は良いことをしたのだという思いがわいてくる。
  それを虚栄心というのだ。

  南原繁全集を求めよ。
  すぐには読まなくてもいいい。
  だが、
  読める時が来たら読め。
  それまでは、
  ただ積んでおくだけでいい。



ここまで書いていたら、
郵便屋さんがおいでになりました。

何通かの郵便物の中に、
馬路村農協からの分厚い封書がありました。

封筒にこんなことが書かれていていました。

  都会には「あこがれ」があり、
  僕たちには「暮らし」がある。



《今朝の空》   

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