よぶこえの引き出し

【冬暁】2019・11・27

2019年11月27日

《冬暁》
早朝、
新聞を取りに玄関に出たら、
まだ明けない西の空、
曇りがちの空の、
ぽっかりと、
そこだけ空いた空に、
一番星がのぞいていました。

『カラー図説 日本大歳時記』(講談社)を開くと、
 「冬の朝」のページに、
 他の言い方も載っていました。

  冬曙(ふゆあけぼの)
  寒暁(かんぎょう)
  冬暁(ふゆあかつき)

いくつか載っている中から、
二句を紹介します。

  寒の暁ツィーンツィーンと子の寝息  中村草田男

  冬暁に父来て生前より多弁  野澤節子


《出発点》
今朝のツイッターは、
「折々のことば」にしました。

  タクシーの難しさは、
  つねに一定の場所から出発するのではなく、
  あらゆる場所が出発点になることだ。
               (梁 石日)

梁石日さん、
ヤン ソボルと読みます。

この言葉の出典は、
彼の『タクシードライバー日誌』

鷲田清一さんが、
こんなコメントを添えています。
  新米のうちは、
  道に迷うと、
  方角を確かめるため、
  車庫に引き返したくなるが、
  客を降ろしたその場所が、
  次の出発点なのだと、
  タクシー運転手歴10年の作家は言う。

  人生も同じ。
  生まれ落ちたそれぞれの境遇を始点としつつ、
  挫折しても、
  挫折したその地点で、
  態勢を組み直すしかない。
      (朝日新聞「折々のことば」11/22)

仕事も同じです。
11月に失敗しても、
4月に戻ってやり直すことはできない。

11月の今日という時点を出発点として、
やり直すしかないのです。



《昨日》

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