よぶこえの引き出し

【論点】2019・11・28

2019年11月28日

《雨の朝》
ときどき、
よく降ります。

少しずつ冬の朝になります。
そうして、
いつのまにか本当の冬の朝になります。
でも、
その中で、
少しずつ春の朝が育ち、
気がついたら、
あっという間に本当の春の朝になります。

季節のめぐりとはそういうものです。

この間、
冬が本格化する前に、
もう春を待ちわびるメールをいただきました。

私も、
かの地に暮らしたことがあったので、
  わっかるなぁ~
と返信しました。

かの地とは、
飯石郡飯南町のことです。 



《論点》
冬の雨音を聞きながら、
買ったばかりの『論点』を読みました。

本当は、
長い名前の本です。
『オピニオン文芸春秋2020年の論点』(文芸春秋)

【論点】2019・11・28



176ページは、
「70 大学受験に役立つ古典」という題で、
三宅香帆さんが書いています。
文筆家で書評家だそうです。
そういう肩書もあるのだ。

その中で、
川島幸希『英語教師 夏目漱石』(新潮選書)が紹介されています。

「じゃあ、漱石の英語教育ってどんなもんだっただろ?」 
というという問いかけから始まります。
  たとえば、
  落第しかけた生徒をすくおうとする漱石先生、
  英語入試を変えようとした漱石先生、
  などものすごく面白く多様な漱石の姿が見られる本なのだけど、
  興味深いのが、
  明治時代にあって、
  漱石は、
  「喋る」試験を、
  英語の入試に取り入れようとしたことだ。

  つまり、 
  スピーキングのテストをしようとしていた。
  (というか、実際におこなった)

  リスニングこそあれ、
  さすがに2019年の大学入試も、
  いまだ「英語を実際に喋る」ことはテストに取り入れていない。

  だけど漱石は、
    英語の入試を、
    まず何よりも、
    実際に外国人と喋ったときに使える能力を試すものにしたい。
  との思いから、
  英語入試にスピーキンの科目を入れていた。
  なんつー現代的な発想。

古さ新しさは、
時代の新旧を言うのではなく、
発想のしなやかさにあるのだろう。

この斬新に見える発想も、
おそらくは、
漱石のロンドン生活が、
大きく影を落としていると、
私には思われますが・・・。



《昨日》

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