よぶこえの引き出し

【利休百首】2019・11・29

2019年11月29日

《利休百首》
ご案内をいただきましたので、
硬筆アート展に行きました。

第17回 島根県民文化祭「特別参加展」の一つということらしい。

「馬鈴薯の歌」を題材にした作品がありました。
  馬鈴薯の
  うす紫の花に降る
  雨を思へり
  都の雨に 


「利休百首」を題材にした作品もありました。
  上手には
  好きと器用と功積むと
  この三つそろふ人ぞ
  能くしる

解説が添えてありました。
  何事でも
  名人上手になるために
  必要な条件が三つある
  第一に、好きでなくてはならぬ
  第二に、器用でなくてはならぬ
  第三に、倦まざる修業あり

 【利休百首】2019・11・29



《忙閑》
古本屋さんで買った吉川英治の『私本太平記』(六興出版)

足利尊氏がまだ又太郎と名乗っていた若き日、
従者の右馬介に、
こんな漢詩を読んでやる場面があります。
  忙裏、山 我ヲ看ル
  閑中、我 山ヲ看ル
  相似テ、相似ズ
  忙ハ総テ、閑ニ及バズ

右馬介が意味が分からないと言います。
尊氏が諭します。
  では、山を見るがいい。
  さすれば、
  左には摂津の六甲、竜王岳、
  右には生駒、金剛山のはるかまでが霞の中に・・・。

  右馬介は、今、山を見ている。

  だが、あたふたと、忙裏(ぼうり)に暮れている日には、
  山と人間の位置は逆になる。

右馬介が尋ねます。
  すると、どうなります。

尊氏の答え。
  山が人間を眺めていよう。
 
右馬介が納得します。
  つまり、
  閑(しず)かであれば、
  人が山を見、
  忙しければ、
  人は山に見られているという事なので?

尊氏。
  ま、そうだな。
  総ての忙(ぼう)は閑(かん)には敵わぬとでも言っておこうか。 

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