よぶこえの引き出し

【年の瀬】2019・12・19

2019年12月19日

《年の瀬》
昨日、
もう正月まで会わないだろう人たちに、
  よいお年をおむかえください。
を言いました。
今年はじめて言いました。

それにしても、
今年ほど、
年末らしくない年の瀬も珍しい。
今年ぐらい、
歳末らしくない年の瀬も珍しい。

このごろ、
しょっちゅう思います。
・・・らしくないなぁ~と。

私の心身の問題でしょうか?
それとも世相の問題でしょうか?
あるいは天候の問題なのでしょうか?


今、
読んでいる文庫、
堀本裕樹『桜杏、俳句はじめてみました』(幻冬舎文庫)

第九章は「十二月・君を追う聖夜」です。

【年の瀬】2019・12・19



今月の句会の兼題は「クリスマス」でした。
杏(あん)が詠んだ句は、
  人ごみに居ぬ君を追う聖夜かな


句会の二次会が終わって、
外に出たら、
雪が降っています。

  銀座のネオンや通りを雪がかすめて、
  うっすら積もりかけていた。
  そばにいたエリカさんが、
  わたしにだけ聞こえるように、
    雪はげし抱かれて息のつまりしこと
  と、小さな声で囁いた。
  「え?」
  「橋本多佳子の句だよ。あたし、好きなんだ~、この句」
  
    雪はげし抱かれて息のつまりしこと
  わたしはエリカさんが囁いた一句を胸のうちでつぶやいてみた。
  すると、
  だんだん雪が激しくなってくるようで、
  自分の胸もつまったような息苦しさを感じた。
  昴さんにはまだ一度も抱きしめられたことなんてないのに。

別れ際、
杏の胸の内を、
うすうす気づいているエリカさんが、
そっと語りかけます。
  「頑張んなよ」
  エリカさんの言葉に、
  わたしは無言で頷き返した。



《降ったり止んだり》
朝から、
今日は降ったり止んだり、
ときどき、
降ったり降ったり。
でも、
止んだり止んだりはありません。

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