【儲け日和】2020・1・5
2020年01月05日
《儲け日和》
今朝、
年末に届けていただいた冊子、
「波」(新潮社)12月号を読んでいて、
この言葉に出会いました。
儲け日和、
もうけびより、
「広辞苑」にも、
「歳時記」にも載っていません。
「波」の「掌のうた」というコラムに。
三枝昂之さんが宮英子さんの歌を紹介しています。
その中に、
この言葉がありました。
むかしびとが儲け日和と言ひしこと思ひ出でて冬のぬくさよろこぶ 宮 英子
三枝さんが、
同じ宮英子さんの歌、
「しずかなる冬日差しあり思ひのほかあたたかければ嬉しもわれは」と並べて、
こんなふうに述べています。
しずかに暖かいひと日、
「儲け日和」と昔の慎ましい暮らしを引き寄せながら、
その穏やかさを恩寵として抱きとめる。
季節と呼吸を通わせるこのゆったりとした自然体。
人生のベテランの味だろう。
このとき、
作者の宮英子さんは95歳ぐらいだったそうです。
生きていて、
日々の暮らしの中で、
これは何者かの恩寵に違いないと、
そんなふうに思う「儲け何々」は、
意識するとしないにかかわらず、
たくさんあるにちがいない・・・と、
この「儲け日和」に出会って思います。
寒い中、
暑い日、
心折れる時、
ふと、
それらの中を生きる人間を、
優しく撫でて過ぎる恩寵を、
ああ儲けもんだ・・・と、
感謝するものがあって、
外は寒風が吹きすさんでいても、
灼熱の炎天下でも、
悩みを背負いながらも、
さあがんばろうと思って生きている人間のことを思います。
儲け春風、
儲け新緑
儲け涼風、
儲け紅葉、
儲け仕事、
儲け出会い・・・。
ああ、
儲けた儲けた!
めっけもんだ!
と口にしながら・・・。
《今朝》
《昨夕》